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 朝雲寸言

 「また棄権かな」床屋政談でA君がぼやく。憲法改正論者で真正保守を自任する彼の選挙区には、与党ながら改憲に後ろ向きな政党の候補しかいない。改憲を掲げる候補はいるが当選圏外。「死票なんか投じたくないしね」とA君。

 逆もありそうだ。〝安倍一強〟は面白くないが共産党は想定外、ならば民進党改め立憲民主党と思ったら、そこには共産党候補しか出ていない。今の選挙制度になって、政党間で出馬調整するこうした選挙協力の常態化が"投票難民"増加の一因かもしれない。

 1994年、細川政権で成立した小選挙区比例代表並立制による総選挙は、今度で7回目。中選挙区制につきまとった金権選挙など負のイメージは薄れたが、「小選挙区制で2大政党化が進む」と言われながら野党の離合集散は収まらない。

 加えて獲得票数と議席数の乖離(かいり)や、死票が極端に多い点も指摘され続けている。過去6回の衆院選はいずれも5割近く、2012年選挙の死票は53%に達した。死票を減らし民意を生かすべきだが、結果、多党乱立で政治が不安定になるのも困る。

 制度の改善は難しいが、真に民意を託せる人物を選ぶのはもっと難しい。政治を志したら必ず繙(ひもと)く名著は政治家を「政治によって」利を得る人と「政治のために」生きる人の2種類に分けている(M・ヴェーバー『職業としての政治』)が、そうした資質を見極める責任は、やはり有権者が負うべきだろう。

(2017年10月12日付『朝雲』より)

 

 

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