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 朝雲寸言

 昨年は、韓国駆逐艦による海自哨戒機P1へのレーダー照射や、マティス米国防長官の退任前倒しなど波乱のうちに幕を閉じた。国際社会を見渡せば、現行秩序の変更を企図する中国やロシアの軍拡、核兵器を手放そうとしない北朝鮮など、波乱要因は数多い。そんな中で今年の最大の波乱要因は、我らが同盟国、米国であるように思える。

 現在の米政権は、トランプ氏という特異な個性とその親族ら側近集団という「上部構造」と、専門性を有する専門家や官僚からなる「下部構造」の二層でできている。唐突な米軍シリア撤収は上部構造が引き起こした事態であり、軍事情報の窃取を防ぐための中国製機器締め出しや輸出・投資管理強化を盛り込んだ2019年度国防権限法は、下部構造が野党も巻き込んで発動したものだ。

 ボブ・ウッドワード著『恐怖の男 トランプ政権の真実』を読めば、上部構造の異様さにただ暗(あん)澹(たん)とするしかない。一方で、中国軍に技術優位を渡さないための国防権限法は、実に真っ当で果敢な内容であり大いに歓迎できる。異様と真っ当がきわどく接合されている米国。実に不思議な国である。

 自衛隊はその働きぶりから内外から高い評価を受けている。ただ、国家の基本法である憲法には自衛隊の文字がどこにもない。外国から見れば日本も不思議な国の一つなのだろう。衆参同日選も噂される2019年。不思議の解消に踏み出す年になるだろうか。

(2019年1月10日付『朝雲』より)

 

 

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