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 朝雲寸言

 海外から日本を訪れた外国人が一様に驚くのは日本の清潔さであるという。中でも評価が高いのはハイテク洗浄トイレと公衆トイレの清潔さである。

 しかし、清潔なハイテクトイレは便利である半面、大規模震災では使えなくなると問題視されている。トイレに限らず、いったん快適さに慣れてしまうと、人はその快適さが無くなった時の不快さに耐えきれなくなる。

 東日本大震災の際に首都圏では帰宅困難者が515万人に上ったと推計された。平日の午後の発災で公共交通手段が停止し、主要幹線道路は週末を自宅で過ごす人の波で溢れた。その夜、一番の問題はトイレであったと多くの人が語っている。

 内閣府は災害対応ガイドラインで、大地震で交通機関が止まった場合は従業員を社内に待機させるよう会社に求め、3日分以上の水や食料などを備蓄するよう促している。しかし、超高層ビルで停電した際のトイレをどうするのか大きな問題となっている。

 被災地では避難所のトイレ問題は単に排せつの問題ではなく、生存の問題である。トイレを我慢するため食事や水を制限したり、エコノミークラス症候群を引き起こしたりすることに加え、感染症などの衛生的な問題が生起するからだ。

 今年も多くの地域で「防災の日」に因んで防災訓練や災害関連のイベントが開催された。トイレについて語ることを人は忌避しがちであるが、食事と同じように関心を持つべきだと思う。

(2019年9月12日付『朝雲』より)

 

 

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