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 朝雲寸言

 千葉県佐倉市にある佐倉城址公園は桜の名所として知られるが、令和元年9月に房総半島を台風15号が直撃した際、多くの巨木がなぎ倒された。台風一過の公園を訪れると、倒れた巨木の幹の内側が空洞になっていることに気づいた。

 木に空洞ができるのは、「木材腐朽(ふきゅう)菌」というカビの一種が根や枝から入り込み、幹の中心部を腐らせ分解してしまうためだという。一方で形成層と呼ばれる幹の外側部分は、根や枝葉をつないで水や栄養分を運ぶ活動を継続。木としては生き続けているため、一見しただけでは内部に空洞があるようには見えない。ただ空洞が広がるにつれ幹の強度は低下し、台風のような強い力が突然加わると倒壊してしまう。

 米国では近年、中国によるスパイ活動の取り締まりが強化されている。豪州でも自国の内政に対する中国の影響力増大を食い止めようとする動きが相次いでいる。両国に共通するのは「内なる侵食」への強い警戒心である。菅政権発足後、特定の主義主張を持った人々に乗っ取られた感もある国営団体の在り方が厳しく問われ始めたことも、自由主義陣営と強権諸国陣営がせめぎあう目下の国際情勢という大きな構図の中に置いて考える必要があるかもしれない。

 木の内部が腐って空洞ができてしまった場合、倒壊や立ち枯れを防ぐには、腐った部分をきちんとかき出したうえで、それ以上の腐食の進行を防ぐ処置が必要になるという。

(2020年11月19日付『朝雲』より)

 

 

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