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 朝雲寸言

 小惑星「リュウグウ」は地球から約3億キロの彼方にある。およそ46億年前に太陽系が形づくられる過程で塵やガスが集まって出来た惑星になれなかった数十万個の小惑星のひとつである。

 中でも7割以上を占めるのが「リュウグウ」のようなC型と呼ばれる小惑星で太陽系と生命誕生の起源を知る手がかりになると言われている。

 我が国のJAXAが打ち上げた「はやぶさ2」は6年かけて「リュウグウ」から貴重かつ十分な量のサンプルを持ち帰った。6年に及ぶ宇宙の旅を完全に成し遂げた最大の要因は日本の科学技術と品質の高さにある。

 開発に関わった会社はおよそ100社に上るという。特筆すべきは大企業から町工場までいろいろな分野からさまざまなメーカーが参加していることである。その成功は奇跡ではない。前回の教訓を踏まえ愚直に積み上げた科学技術とチームワークの勝利である。

 しかしながら、3億キロ離れた小惑星に無人の探査機を飛ばして試料を持ち帰るほどの高い技術を持つ一方で、我々は1年近く経っても眼前のコロナウイルス感染症の拡大を止めることができないでいる。

 この問題の根本は我々自身にあるのではないか。ウイルスの感染を封じ込めるのは技術やシステムではない、人間集団の力なのだ。1月7日、政府は二度目の緊急事態を宣言した。身近な危機事態に対応する社会及び人間集団の民度が今問われているのである。

(2021年1月14日付『朝雲』より)

 

 

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