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危機感持ち対策講じよ

感染急拡大
 経済再生と感染抑止の両立は、難しいテーマだ。政府は様々な課題を見極め、バランスを取りながら政策を遂行する必要がある。

 新型コロナウイルスの感染者が再び急増している。東京都や大阪府など都市部に限らず、全国に流行が広がっているのが特徴だ。専門家などからは「第3波」ではないかとの見方が出ている。警戒を怠れない。

 専門家でつくる分科会の緊急提言を踏まえ、政府は、クラスター(感染集団)対策の強化に乗り出した。大学や職場に対し、長時間の飲み会などに注意するよう求めた。飲食店には、換気や湿度管理を呼びかける。

 繁華街でクラスターが発生した場合、大規模なPCR検査を実施する方針だ。これまでの感染事例を分析し、きめ細かく対応してもらいたい。

 ワクチンの開発が米国で大詰めを迎えているという。日本で多くの人が接種できるようになるまで、マスクの着用や「3密」の回避といった基本的な対策を徹底することが肝要だ。

 インフルエンザとの同時流行も視野に、医療や検査の体制を継続して整備することが欠かせない。

 厚生労働省は、患者に迅速に対処するための「診療・検査医療機関」が全国に約2万5000カ所指定された、と発表した。54万件の検査体制が整うという。

 ただ、受診控えが起きることを懸念する病院側の意向もあり、指定機関を公表していない自治体が多い。

 発熱した人が保健所や病院を「たらい回し」にされるような事態は避けなければならない。必要な人が誰でも検査や診察を受けられる体制を整えることが不可欠だ。

 経済の下支えに最善を尽くすことも肝要である。

 菅首相は、追加の経済対策を含む2020年度第3次補正予算案の編成を指示した。閣議で「経済を民需主導の成長軌道に戻す」と述べた。

 政府は、休業手当を払った企業を補助する「雇用調整助成金」の上限額を増額している。この特例措置を延長する方向で調整している。雇用の悪化を防ぐため、あらゆる手だてを講じるべきだ。

 観光支援策「GoToトラベル」事業は、来年1月の期限を大型連休まで延ばすべきだとの声がある。だが、感染が拡大し続けた場合には、人の移動を制限せざるを得ない。柔軟に見直すことができる仕組みとしてはどうか。

 ワクチンの開発や医療機関の整備、困窮者への支援などにも取り組むことが求められる。

 自民党からは、3次補正の規模を30兆円程度にするよう求める声が出ている。20年度は、2度の補正予算を編成し、歳出は160兆円を超えた。財源は国債の発行に頼っている。野放図な財政運営は許されまい。

夏川 明雄(政治評論家)

 

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