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 防衛関連ニュース

小野寺大臣 新春に語る(全文)
安保環境一層厳しく③

2018年1月5日更新

各国との防衛協力をさらに強化「自由で開かれたインド太平洋」の確保は重要

 ――大臣は2期目も引き続き、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域を中心にさまざまな国際会議等にご出席され、各国との「2プラス2」や防衛相会談などにも積極的に臨んでおられます。日米豪印の関係もますます重要となる中、国際情勢に関するご認識をおうかがいさせてください。

 小野寺大臣 北朝鮮による核・ミサイル開発や中国の軍事力の増強をはじめ、我が国周辺の安全保障環境はより一層厳しさを増しています。

 また、グローバルな安全保障環境についても、国際テロの脅威が拡散するほか、サイバー攻撃が日に日に高度化・巧妙化するなど、一国・一地域で生じた混乱が、直ちに国際社会全体の不安定要因となるリスクが高まっています。

 脅威は世界のどの地域においても発生し、我が国に直接影響を及ぼし得るものであり、もはやどの国も一国のみでは自国の安全を確保できず、国際社会が一致して国際的な課題解決に取り組むことが不可欠となっています。

 こうした状況の下、各国と安全保障・防衛分野での連携をさらに強化する必要があると考えています。

 特に、法の支配に基づく国際秩序が挑戦を受けている中、日米同盟を基軸としつつ、豪州やインド、ASEAN諸国など、法の支配や民主主義といった普遍的価値と戦略的利益を共有する国との2国間・多国間の協力関係をさらに発展させ、海洋における法の支配の徹底を通じ、「自由で開かれたインド太平洋」を確保することが重要であると認識しています。

 各国との協力について具体的に申し上げれば、日米同盟は、我が国の安全保障政策の基軸であり、私が防衛大臣に着任した昨年8月に日米「2プラス2」と日米防衛相会談を開催するなど、揺るぎない同盟の絆を確認するとともに、同盟の抑止力のさらなる強化に取り組んでいます。

 豪州とは、共同訓練や能力構築支援において具体的な協力が進んでおり、日米豪3カ国間でも共同訓練などの協力が進んでいます。インドとの間では、海上共同演習「マラバール」が昨年から日米印3カ国主催になるなど、具体的な協力が進展しており、昨年9月には日インド防衛相会談を開催して防衛協力のさらなる深化で一致しました。

 ASEANとの間では昨年10月に第3回「日・ASEAN防衛担当大臣会合」を開催し、「ビエンチャン・ビジョン」の下で防衛協力を一層推進していくことを確認しました。

 さらに、普遍的価値と戦略的価値を共有する英仏をはじめとした欧州諸国との協力強化にも取り組んでいます。

 今後も、アジア太平洋地域や国際社会との安全保障協力を積極的に推進し、地域とグローバルな安全保障環境の改善を図るとともに、このような取り組みを通じ、国民の安全と安心の確保に万全を期してまいります。


PKOや能力構築支援など、日本の強みを生かした国際貢献

 ――昨年は南スーダンから陸自PKO部隊が撤収し、現在は司令部派遣が継続しています。一方で、ジブチでの海賊対処や「災害対処能力強化支援(重機教育)」をはじめ、東南アジア諸国への能力構築支援、アフリカではケニアで国連初の「早期展開プロジェクト」など、自衛隊によるさまざまな支援が行われ、現地や国連関係者から感謝されています。今後、PKOの部隊派遣を含め、自衛隊の国際活動について大臣はどのように発展させていくお考えですか。

 小野寺大臣 これまで防衛省・自衛隊は、25年にわたり、カンボジア、ゴラン高原、東ティモール、南スーダンをはじめ、世界のさまざまな地域で国連平和維持活動(PKO)などに参加してきました。

 昨年5月、南スーダンPKO(国連南スーダン共和国ミッション=UNMISS)から施設部隊が撤収しましたが、現在も自衛官4名が司令部要員として、UNMISSの活動に貢献しています。

 また、実際の要員派遣による貢献のみならず、能力や装備品不足を課題とする部隊派遣国に対して、我が国の得意分野の知見などを生かした支援を行う、要員派遣国との「パートナーシップ型」の貢献も重視しています。

 「国連アフリカ施設部隊早期展開プロジェクト(ARDEC)」は、国連、支援提供国、要員派遣国の三者が連携する「三角パートナーシップ・プロジェクト」であり、我が国が拠出した資金を基に国連が重機調達や訓練提供を実施する事業に対し、防衛省・自衛隊が、ケニアにある「国際平和支援訓練センター」に陸上自衛官等を講師として派遣し、アフリカ各国の施設部隊要員に対して重機の操作訓練を行うなど、国連PKOなどで培った経験を活用し、PKO要員派遣国の能力構築支援にも取り組んでいます。

 国連PKOへの参加や能力構築支援に加え、我が国はPKOに関する政策検討の取り組みにおいても貢献しています。例えば、私が防衛大臣を務めていた約4年前には、専門家会合を主催して「国連工兵部隊マニュアル」の作成をリードしました。また、昨年11月にカナダで開催された「国連PKOに関する国防大臣会合」の共催国として、防衛省はこれに先立つ8月に、訓練や能力構築支援をテーマとした準備会合を東京で開催し、32カ国で活発に議論を交わす機会を提供しました。

 さらに、国連PKOのみならず、人道支援・災害救援、海洋安全保障といった分野における他国軍の能力構築支援にも取り組んでいます。

 ジブチ軍の災害対処に係る能力構築のため、同国に陸上自衛官を派遣し、ジブチ軍工兵部隊の要員に対して災害対処に必要な重機の操作教育などを実施しているほか、東南アジアにおいても、インドネシアに対して海図作成などの海洋学、フィリピンに対しては艦船ディーゼルエンジン整備に関する支援などを実施しています。

 我が国は「積極的平和主義」の旗の下、今後とも、我が国の強みを生かし、能力構築支援の強化、部隊・個人派遣など、国際平和協力分野においてより一層積極的に貢献してまいります。


「一隅を照らす」モットーに

 ――話は変わって、個人的な話題になりますが、大臣はご公務としてもテレビのニュース番組などに頻繁に出ておられ、大変ご多忙だと思います。そのような中で、貴重な休日はどのようにお過ごしですか。体力維持の秘訣やご趣味についても教えてください。

 小野寺大臣 基本的に休むことはないです。いついかなる時に何か発生してもすぐに対応するため、平日はもちろん、土日も防衛省に極力出てきています。防衛大臣がテレビに映るというのは安全保障上、好ましいことではありません。平和であれば、目立たず静かに任務をこなすのが我々の仕事ですから、それだけ今の状況が厳しいということの表れだと思います。

 とはいえ、体を鍛えるために、土日に防衛省にいない時には時間を作って皇居周辺を走っています。もともとはテニスとスキーを長年やっていて大会にも出ていたのですが、今はその時間がないので皇居周辺をジョギングしています。


 ――大臣の「人となり」が分かるような信条やお好きな言葉を教えていただけますか。

 小野寺大臣 座右の銘は、西郷隆盛が好きだった「一隅を照らす」です。日の当たる場所でなくても大事な仕事はたくさんあります。それがあって初めて世の中が平和に動いている。さまざまな分野で活躍されている隊員の方々について、大臣として認識していくことが大事だと思っています。

 前回、大臣を務めた時は、北海道から沖縄まで全国150カ所以上の部隊を視察し、離島のレーダーサイトなど地方で活躍する最前線の隊員、しっかりと国を守っている隊員の姿を目の当たりにしました。

 大きな駐屯地や基地などの目立つ部隊を支え、基盤となる、例えば補給や離島防衛などの任務に就く部隊の重要性を認識しておりますので、これからもなるべくそうした部隊を激励し、隊員の士気を上げていきたいと思っています。


 ――最後に、全国の隊員の方々に向けて新年のメッセージをお願いいたします。

 小野寺大臣 年末年始も国内外のそれぞれの現場において任務を全うする隊員諸君に感謝を申し上げるとともに、その労をねぎらいたいと思います。

 新年を迎えた今、隊員諸君におかれては厳しい安全保障環境の下、国民の期待と信頼に応えるべく、改めて一人一人が国民の命と平和な暮らしを守り抜くという強い使命感を持って厳正な規律を維持しつつ、一層職務に精励されることを切に望みます。

 私も25万人の隊員諸君と共に、国民の生命・財産、我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜くという決意を新たにし、全身全霊をもって職務に当たる所存です。

 隊員諸君とご家族の皆さまの益々のご健勝とご多幸を心からお祈りするとともに、本年が防衛省・自衛隊にとってさらなる成長の年となることを祈念します。

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