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災害廃棄物の撤去等に係る連携対応マニュアル

2020年9月9日更新

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 平成30年の西日本豪雨の災害派遣で幹線道路の災害廃棄物処理に当たる自衛隊。マニュアルでは公共性・緊急性・非代替性を勘案し、やむを得ない場合の「応急対策」として、自衛隊は知事の要請に基づき、幹線道路など社会活動に影響がある場所からの撤去や、一般の住民では対応困難な大型廃棄物の運搬支援に当たることが明示された。

防衛省と環境省が策定 役割分担を明確化 処理主体は市町村

 防衛省と環境省は8月7日、共同で初となる「災害廃棄物の撤去等に係る連携対応マニュアル」を策定した。災害時の廃棄物撤去に関し、処理主体はあくまで市町村であることを明記した上で、現場で人命救助活動が最優先となる防衛省・自衛隊をはじめ、環境省や自治体、ボランティアなど関係者の役割分担を明確に定めたのが特徴だ。小泉進次郎環境相は同日の記者会見で「自衛隊は何でも屋ではない。自衛隊は自衛隊にしかできないことに専念していただく」と述べ、自衛隊の活動効果を最大化する環境作りと相互の連携強化の重要性を強調。防衛省は今後、同マニュアルを関係者に周知し、円滑かつ迅速に対応できる協力体制を構築していく考えだ。


1 連携マニュアル作成の目的

 平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、令和元年東日本台風(台風19号)、令和2年7月豪雨など、近年の大規模災害において、広範囲に甚大な量の災害廃棄物が発生し、市町村や民間事業者のみでは収集運搬体制が十分に構築できず、路上に災害廃棄物が堆積した被災自治体があった。

 このため、被災自治体が応援自治体や民間事業者の支援を受け収集運搬体制を構築したほか、環境省と自衛隊やボランティア関係団体をはじめとした、関係省庁や関係機関が連携しながら処理を進めてきた。

 今般、環境省と防衛省は、それらの活動を通じて蓄積されたノウハウ等も踏まえ、防災基本計画(令和2年5月)に基づき、環境省、防衛省、都道府県、市町村、ボランティア、NPO等の関係者の役割分担や、平時の取り組み等、発災時の対応を整理した連携対応マニュアルを作成し、関係者に周知して、災害廃棄物の発生に円滑かつ迅速に対応し得るよう態勢を整備する。

 なお、本マニュアルの使用に当たっては、記載事項に固執することなく、現場の状況に合わせて柔軟に対応することに留意するものとする。また、本マニュアルの記述は必要に応じ見直すこととする。

2 用語の定義

 (1)生活圏:大量に搬出された災害廃棄物により、住民の日常生活に支障をきたし、衛生面の観点から健康に害を及ぼすおそれがあり、すみやかに災害廃棄物を撤去する必要がある区域

 (2)1次仮置場:市町村等が管理していて、その後の処理フローも踏まえた災害廃棄物の分別管理がされている仮置場

 (3)2次仮置場:市町村等が管理していて、災害廃棄物を破砕・選別するための仮設処理施設が設置され、より細かく分別を行う仮置場

 (4)1次集積場

 ア 未管理集積所:・・・

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3 基本事項

 (1)災害廃棄物に係る基本事項

 災害廃棄物とは、自然災害に直接起因して発生する廃棄物のうち、生活環境保全上の支障へ対処するため、市町村がその処理を実施する一般廃棄物である。災害廃棄物には、可燃系混合物や廃家電等、さまざまな種類の廃棄物があり、発災時には被災家屋の片付け等により一度に大量に発生する。生活環境の保全・公衆衛生を確保するためには、災害廃棄物を適正かつ円滑・迅速に処理をすることが非常に重要である。

 (2)災害廃棄物処理の原則・安全管理

 災害廃棄物は、・・・

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4 関係機関の役割分担・連携

 災害廃棄物の処理主体はあくまで市町村であり、市町村が関係機関と連携し対応にあたることが前提である。令和元年東日本台風(台風第19号)においては、災害廃棄物を生活圏から撤去するため、環境省、防衛省、内閣府等の関係省庁と県および市との間で行う現地調整会議における活動調整が有益であった。また、市町村が財政面での負担を憂慮し、民間事業者等との調整や契約が遅延したり、民間事業者の選定に時間を要した市町村があった一方で、長野県長野市において実施された「One NAGANO」では、市民・ボランティア・県・市・環境省・自衛隊・民間事業者などの官民を超えた多くの関係者が一体となってそれぞれの能力を生かして活動できるよう、関係者との間で役割分担を実施して効果的な撤去を実現できた。

 また、令和2年7月豪雨における熊本県の「人吉市内の大型災害ゴミ一掃大作戦」や「球磨村の大型災害ゴミ搬出の寄り添い支援」では、・・・

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5 平時の取り組み等

 (1)市町村

 ア 「災害時の一般廃棄物処理に関する初動対応の手引き」(令和2年2月)に示す事前検討チェックリストを参考に、以下の内容をはじめとした検討状況を確認する。

 ・発災後の初動対応時の業務の詳細手順を時系列で定める。

 ・仮置場候補地を選定し、リスト化する。

 ・災害支援協定の内容を把握し、リスト化する。

 イ 市町村は、災害廃棄物処理計画を策定し、必要に応じて見直しを行う。

 ウ 市町村の廃棄物担当職員は、・・・

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6 発災時の対応

 (1)災害廃棄物の撤去に係る自衛隊の災害派遣活動の考え方

 災害廃棄物の処理主体はあくまでも市町村であり、市町村が民間事業者等と連携しつつ処理体制を構築することが前提である。その上で、市町村が対応できず住民の生活環境保全上の支障が生じうる場合に、災害派遣活動に従事している自衛隊と連携して対応に当たるものとし、民間事業者等への移行までの応急対策を原則とする。なお、環境省は、民間事業者等への移行を速やかに行えるように都道府県とも連携し、県内の民間事業者との協定の活用やD・Waste-Netによる支援の調整等を行う。

 (2)自衛隊の災害派遣活動に当たっての留意事項

 ア 環境省本省は、発災直後から被災地に派遣する環境省現地支援チームによる周辺状況確認調査や作業状況報告を踏まえ、災害廃棄物の排出状況、被災市町村における民間事業者等との協定の発動状況、D・Waste-Netとの調整状況等を防衛省に共有する。

 イ 災害廃棄物の撤去に関する支援を被災都道府県が求めようとしている場合、環境省は、自衛隊の部隊等が行っている人命救助、行方不明者捜索、道路啓開等の初動対応の状況、報道情報および上記の防衛省への共有事項を踏まえ、・・・

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7 自衛隊の活動終了に伴う対応

 自衛隊の活動終了に際しては、事前に、・・・

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